加古川駅前の影の守護神おたぬき様を捜せ!
6月の編集会議の時、「駅前にあったタヌキどこに行ったか知りませんか?」という問い合わせがあったと編集長が言った。
1998年発行のほっとかこがわ19号の表紙を飾ったタヌキは、取材当時も、その顔が今の時代に一番有名な信楽のタヌキの顔とは違っていて、少しとがった口などがきつねっぽく思えて、編集部内でもきつね派とタヌキ派に意見がわかれ、その後も何かと話題にのぼるタヌキの置物のことだ。
「山角の交差点でタヌキを見た」という情報があったというので今回、タヌキ探しの旅に出ることになった。地図で調べたけれど、山角という交差点はなかった。バス停があったので、まずそこへ出かけてみることにした。
平荘町の県道65号線で山角と書かれた看板を見つけた。すぐ近くの空き地に車をとめて付近を歩いてみた。タヌキは見えなかった。電器店の裏で洗濯物を干している人がいたので、19号の表紙の写真を見せて「この付近でこんなタヌキの置物見かけませんでしたか?」と聞いてみたが、わからなかった。
店の駐車場に車をおかせてもらって、西へ歩いた。、 山角のバス停のそばに散髪屋さんがあった。中に入って「こんなタヌキ見たことありませんか?加古川駅前にあったんですが、山角の交差点に移ったらしいという情報があって…」「いやあ、知らんなあ、タヌキやったら庭に二十年前から置いてあるで」とおっしゃるので玄関の方にまわってみたらタヌキはいた。でも大きさは1mほどで駅前のタヌキと同じぐらいだったけれど、例の信楽のまんまる顔のタヌキだった。
次に平荘の郵便局へ寄ってみた。「見たことないねぇ」「私達地元じゃないからわかりません」「局長がいれば地元のことくわしいから知ってるかもしれないけれど、あいにく外出中です」残念!「もし何かわかったらお知らせ下されば助かります」ほっとの連絡先を告げて次へ。
歩いていると前方に体操服姿の女の子が2人なにやらやってる様子。近づいて見るとトライやるウィークで幼稚園に来ていて、金網の修理中だった。事情を話したが先生も2人も見たことないという。でも「この先の花屋のおばちゃんが山角の人やから何か知ってるかもしれないよ」と親切に場所と名前を教えてくれた。
その花屋さんへは車で行こうと駐車場まで引き返す途中、倉庫にいるおじさんにあった。写真を見せたけれど「見たことないなぁ。あそこの神社やったらタヌキあるかもしれんから行ってみ」と言われて、目の前にあった平之荘神社へ向かう。
社務所の玄関で「ごめんくださーい」と大声で叫んだ。奥の方から声が聞こえて女の方が出てこられた。話をしたとたん「それ知ってるよ。偶然、BANBANテレビに映ってるの見たの。この先の信号の角の弓削建設の中にいるよ。前は駅前にあったらしいけど、気がつかなかったわ。信号でとまって横を見るとタヌキが見えるよ。初め見た時は怖い顔だと思っていたけれど何度も見るうちに愛嬌のある顔に見えてきてね…」と教えてくれた。
タヌキは西山の交差点、南東にある弓削建設株式会社の敷地の中で陽をいっぱいにあびて笑っていた。
タヌキは道路の拡張工事の為、パチンコ屋の駐車場から、移動させなければならず、引き取り手を探していたので弓削建設の谷尾さんがそれならと自分の所へ運んだという。朝七時からお祓いをしてもらい、クレーンでつり上げて大変だったらしい。今はきれいに洗われて少し色が白くなったような…皆に大切にされているようだ。
よかったよかった。
もう少し、タヌキのことを知りたくて駅前のパチンコ店へ行った。店長さんは、12年前、ほっと編集部のMちゃんがインタビューした方で、当時のこともおぼえておられました。
昔ここに掘井戸があってこのタヌキが守り神として奉られていたそうです。古井戸は、今もアスファルトをはがしたらその下にあるそうです。その後、新興会館という映画館が出来た時にはその二階に。ヤマトヤシキ(※現在の千々里屋パンの南側にあったヤマトヤシキのこと。今のヤマトヤシキとは場所が違う。)が出来た時にはその屋上に置かれていたそうです。映画館の二階には一緒にきつね二匹もいたそうですが、これは京都の方へもらわれていったそうです。
店長さんからBANBANテレビの人ならもっとくわしく知っているかもと伺って、次はBANBANテレビへ。
BANBANでは取材した方には会えませんでしたが、編成制作部部長の福田さんにタヌキの映像を見せてもらえました。昨年の11月2日から放映した「ようさん知っとこ!加古川」という番組です。かつて加古川には6館もの映画館があったというものでした。
その中の一館、新興会館の場面であのタヌキが登場するのです。画面に写るタヌキはどこか遠い昔の住人みたいでした。
現在の明るいタヌキは平荘の西山の交差点にいます。近くを通ったらのぞいてみてください。歯をニッと出して笑ってますから。
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